通称名の使用や登録についての注意点

1.通称名とは


外国人の法務相談を受けているとよくある相談の一つが通称名についてです。

通称名とは、法律上の本名ではない、社会一般的に認知されている個人を特定するための名称です。通名とも。

名前が難しい、不当な差別を受けている、帰化を予定している等の理由により通称名を使用したいという方が多いと感じます。

2.通称名使用の落とし罠


通称名を使用する場合、特に注意しなければならないのは文書を作成する場合です。例えると、履歴書、申請書、契約書などですね。何故なら、私文書偽造罪(3月以上5年以下の懲役)に問われることも十分あり得るからです。正式に法律上の手続きをせずに通称名を使用することはあまりお勧めできません。運転をされる方は身代わり出頭という言葉を聞いたことがあると思いますが、あれと同じです。

「・・・(略)被告人において甲という名称を永年自己の氏名として公然使用した結果、それが相当広範囲に被告人を指称するものとして定着していた場合であつても、私文書偽造、同行使罪にあたる。」

最判昭和59年2月17日- 刑集第38巻3号336頁

3.通称名を使用したら素性を隠せるのか


よくある誤解ですが、外国人が通称名を正式に登録しても身分証である在留カードには通称名を記名する欄はありませんし(そもそも通称名を使う位ですから在留カードの出番はないはずですが)、住民票や運転免許証にも本名と併記しますから、写真付き公的身分証明書を確認すれば本名は一発で分かります。従って、身分の確認を求められる場面に置いては素性を隠すことは難しいと言えます。

4.それでも通称名を使用したいなら(通称名の登録方法)


それでも通称名を使いたいというニーズはあります。したら通称名を適法に登録してからになると思いますが、実は通称名の登録審査というのは殆どが各自治体の裁量問題になっています。要は、各自治体が適当と認めた場合のみ登録されるということです。(住基法施行令30条の26)

一応、総務省の方では通称名登録に関する技術的指導は行っていますが、最終判断は自治体がすることになります。ちなみに通称名登録に関する技術的指導では以下のように留意されたしと通知しています。

~留意事項~

(1)厳格な確認資料を求めること

(2)通称名の変更は原則として認めないこと

(3)頻繁に新たに通称を記載することで悪用される可能性がないこと

(4)長期間の通称使用が確認できること

~趣旨~

(1)は偽造書類や客観性に欠ける資料で認めてはならないから当然ですね。

(2)は日本人の場合は氏名変更の為に家庭裁判所の許可が要る点と比較したら当然ですね。

(3)は住民票等への信頼を守るためですから当然ですね。

(4)は個別具体的な事案により期間の目安が異なりますが、
明日から○○だ!ってわけにはいかないという趣旨ですね。
ちなみにこれは2018年に追加されたものです。

なお、申請から登録までの標準処理期間も役所側の事情によりますが、平均して一週間程度を見積もれば無難です。

5.専門家に依頼を


通称名を使用した犯罪やこれに対する非難世論を受けて近年は特に通称名の登録が難しくなっています。一から用意したら最短でも6か月はかかると考えた方がいいでしょう。無論、不許可になった場合はやり直しです。

最初から専門家である行政書士にコンサルティングを受けた方が費用と時間の節約になるのでお勧めです。弊事務所では通称名登録までのコンサルティングを5万円(税込)ぽっきりで受任しています。全国24時間対応、いつでもお問合わせください。

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